ずいバラ/水の都の赤いバラ

プリティプリマ使用パーティ

6月23日〜26日まで開催されたインターネット大会「プリティプリマ」に参加しました。
成績は34勝11敗、最高レート1826、最終1805でした。
終戦をイージーミスで落としたのが悔やまれますが、それも含めて課題を書き出していきます。

まずは「プリティプリマ」で使ったパーティから紹介します。

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準速オクタンに雨と晴れ、追い風にトリルと変則的な要素を仕込ませました。
戦法はそれほど複雑ではなく、先発2体の雨や追い風で暴れ、後発2体の晴れやトリル、おさきにどうぞ噴火で〆る単純なスイッチ展開が勝ちパターンの一つです。

⦿ パーティ作成の経緯

インターネット大会は45戦と長丁場で、疲労との戦いにもなります。
個人的にはダブルバトルにおいて単体攻撃を軸とすると、「まもる」や交代などによる択が発生しやすく、高い集中力と腕前がないと戦い抜くのは厳しいと考えています。なので今ルールの発表後、範囲攻撃を軸とするパーティを使うことに決めました。使用可能なポケモンを見渡しても「ワイドガード」を覚えるポケモンが少ないのも追い風だと思いました。もちろん範囲攻撃に頼れば択は発生しないとは言えず、堅実に相手を削りながら最後に範囲攻撃で〆る最低限のプレイングは必要だと感じています。

パーティのコンセプト

ということで、「ふんか」「しおふき」を筆頭に範囲攻撃ワザを高火力かつ上からぶっ放すことにしました。しかし、上記2つのワザはHPの量に応じて威力が変わるため、HPを削られない工夫が必要です。そこでシャンデラの「トリックルーム」、ヤミカラスの「おいかぜ」、キレイハナの「おさきにどうぞ」と状況に応じて先手を取りやすいように構築しました。本来であれば「ふいうち」などのケアで「このゆびとまれ」や「いかりのこな」を覚えるポケモンも入れた方が良いのですが構築に収まらなかったため、先制技を持つポケモンを率先して倒すプレイングを心掛けました。

また、今ルールは未進化でない唯一の天候特性持ちのコータスが幅を利かすと思ったので、メタとしてヤミカラスに「あまごい」を仕込ませています。その流れで「しおふき」を今ルールにおいて最高火力で放てるオクタンを採用しました。ここまでだと特殊耐久の高いアローラベトベトンや「ばけのかわ」で凌いでくるミミッキュが辛いので、どちらにも有効打がある「かたやぶり」ドリュウズを採用します。ドリュウズ自身も「じしん」「いわなだれ」と範囲攻撃ワザを放てるため、コンセプトに合った良いポケモンです。「いかく」持ちポケモンが少なく想定通りのダメージを与えやすいのも◎

ポケモンの詳細

採用理由などを詳しく書いていきます。

f:id:ibalatias:20170626200436p:plainコータス@もくたん

特性:ひでり
能力値:175-*-160-150-93-22
ふんか、だいちのちから、かえんほうしゃ、まもる

先発の場合はキレイハナも先発させて「おさきにどうぞ」「ふんか」で一気に攻め上げます。天候ギミックや「こだわりスカーフ」の奇襲が考えられる場合、別の先発でそれらを駆逐し後発から「おさきにどうぞ」「ふんか」または「トリックルーム」「ふんか」で。

シャンデラコータスが流行したため、「だいちのちから」も有用でした。ただ、相手のコータスとの対面では「おいかぜ」状態以外では同速勝負になってしまうのが痛かったです。後述するオクタンのように素早さに振り切って良かったかもしれません。

選出:先発:12 後発:23 合計:35/45 選出時の勝敗:25勝10敗(71%)

f:id:ibalatias:20170626200509p:plainシャンデラ@カシブのみ

特性:もらいび
能力値:167-*-110-216-111-76
ねっぷう、シャドーボールトリックルーム、まもる

コータスと並べてトリル状態で「ふんか」「ねっぷう」連打するのが理想ムーブ。
本来であれば「きあいのタスキ」を持たせる予定でしたが、ヤミカラスに渡したので渋々カシブのみに。シャンデラ同士やミミッキュ対面で強気に動けるのは良かったですが、地面ワザ弱点の一貫が気になったのでシュカのみ…いややっぱりタスキが欲しかったです。素早さに関しても「おいかぜ」との兼ね合いも考慮して、性格控えめS4振りの101が良かったと思います。

選出:先発:6 後発:18 合計:24/45 選出時の勝敗:19勝5敗(79%)

f:id:ibalatias:20170626200346p:plainヤミカラスきあいのタスキ

特性:いたずらごころ
能力値:167-*-62-*-63-157
イカサマ、おいかぜ、ちょうはつ、あまごい

この構築の影の立役者。S操作、コンボ封じ、天候メタ、「イカサマ」でカミツルギを6割・ドリュウズを8割削るなど、補助から攻撃までこなすMVPでした。「あまごい」により相手の炎ワザをドリュウズが耐えて強引に動かすプレイングも可能。「おいかぜ」から「あまごい」に繋げたい場面もあり、2ターンは動いてほしいことから「きあいのタスキ」を持たせています。「しんかのきせき」で耐久を固めるのもアリだと感じます。耐久調整をしっかり施し、シャンデラにタスキを渡せばもっと戦いやすかったのかもしれません。

ちなみにコンボ封じで具体的に役立ったのは、トリル状態からツボツボの「パワートリック」→横の「あまえる」→「あまのじゃく」ツボツボで超強力な「いわなだれ」を繰り出すものに対してです。「ちょうはつ」で「パワートリック」を防いでいなかったら圧敗不可避でした。

選出:先発:28 後発:12 合計:40/45 選出時の勝敗:31勝9敗(78%)

f:id:ibalatias:20170626200410p:plainオクタン@しんぴのしずく

特性:スナイパー
能力値:150-*-95-172-96-97
しおふき、エナジーボールかえんほうしゃ、まもる

素早さに振り切り、「おいかぜ」で最速アブリボン(193)まで抜けるようにしました。
おもにヤミカラスと並べ、「おいかぜ」「あまごい」で場を整えてから最大火力の「しおふき」をぶっ放します。ドリュウズのジメンZ+オクタンの通常時75%「しおふき」で191-111-116輝石ポリゴン2を落とせるルートを作ったこともあり、ポリゴン2にも苦戦せずに済みました。ちなみに、雨75%しおふきスナイパー急所でポリゴン2をぶっ飛ばした時はほぼイキかけました

エナジーボール」はマリルリトリトドンへの打点、「かえんほうしゃ」はモロバレルナットレイへの打点となり有用でした。能力値もオクタン自体も異彩を放ちつつ選出時の勝率もナンバーワンと良い個性枠になりましたが、「おいかぜ」で抜ける範囲を広げるために臆病最速(106)でも良かったかなと思いました。活躍したのは嬉しかったですが、せっかくならもうちょっと煮詰めて考えてあげたかったですね。

選出:先発:4 後発:14 合計:18/45 選出時の勝敗:15勝3敗(83%)

f:id:ibalatias:20161109234719p:plainドリュウズ@ジメンZ

特性:かたやぶり
能力値:185-205-81-*-85-140
アイアンヘッドいわなだれ、じしん、まもる

表のエースであるコータスとオクタンが対応できないポケモンを駆逐してくれる裏のエース。かたやぶり「アイアンヘッド」でHP振りミミッキュ(162-100)を特性貫通でワンパンできるのも偉いです。

ドリュウズで駆逐したいベトベトンなどの横にいるこだわりハチマキマリルリカミツルギに行動保証をかけるため、187-98まで物理耐久を上げても良かったと思います。ジメンZでのポリゴン2の処理ルート確立のため攻撃は落としたくないので素早さを121まで削ることになりますが、「おいかぜ」状態なら意地っ張り準速こだわりスカーフカミツルギ(241)までは抜けます。陽気のスカーフカミツルギ(265)は抜けませんが、陽気A233カミツルギの「せいなるつるぎ」を13/16の確率で耐えるよう調整していれば少し保証になります。

HPの高さから耐久がないわけではないので、もう少し耐久面にも目を向けてみる必要性を感じました。大会中は活躍しましたが、高みを目指すならドリュウズはAS振りみたいな固定観念から外れた発想も大切だと思いました。

選出:先発:28 後発:9 合計:37/45 選出時の勝敗:28勝9敗(76%)

f:id:ibalatias:20170626200451p:plainキレイハナ@クサZ

特性:ようりょくそ
能力値:151-*-115-156-120-102
リーフストーム、おさきにどうぞ、ねむりごな、まもる

コータスとの並びで「おさきにどうぞ」「ふんか」を連打するのが理想ムーブ。
構築全体で対マリルリが薄いので、威力195の「ブルームシャインエクストラ」でHP振りチョッキマリルリ(207-151)を確定で倒すため特攻を上げました。このポケモンにはドレディアのような動きを求めているのですが、ドレディアと異なりキレイハナの素早さは遅く晴れ状態でも「こだわりスカーフ」持ちのポケモンに抜かされるのがネックでした。具体的にはポリゴンZドリュウズシャンデラなど。この手のポケモンが相手にいる場合、キレイハナは先発させず「トリックルーム」または「おいかぜ」展開でスカーフ持ちを駆逐し、後発からキレイハナコータスの理想ムーブを展開することが多かったです。

「おさきにどうぞ」はドリュウズに使うこともあり、晴れ状態でキレイハナを巻き込みながら「おさきにどうぞ」「じしん」で攻めるパターンもありました。半減なので巻き込んでもさほど痛くないというか、意外と耐久があってA172ベトベトンの「どくづき」を5/8の確率で耐えてくれるのはドレディアに勝る数少ない要素です。……正直ドレディアが使用可能ならキレイハナは使わなかったです。選出時の勝率が最も低いですが、「ねむりごな」を信用できずほぼ使わなかったこと、単体での攻撃範囲が狭いことが原因の一つかと思います。カミツルギ対面で攻めあぐねた試合があったので、「めざめるパワー炎」などのワザも検討した方が良かったです。

選出:先発:12 後発:14 合計:26/45 選出時の勝敗:18勝8敗(69%)

⦿ 選出パターンとKP

1.基本パターン
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後発:f:id:ibalatias:20170626200346p:plainf:id:ibalatias:20161109234719p:plainorf:id:ibalatias:20170626200410p:plain
キレイハナコータスでガンガン削って後発のドリュウズを「おいかぜ」に乗せて「じしん」で〆るのが理想です。水ワザの通りが良い相手にはオクタンを出し「あまごい」「しおふき」で天候スイッチの形を取ります。

2.スカーフ警戒パターン
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後発:f:id:ibalatias:20170626200436p:plainf:id:ibalatias:20170626200451p:plainorf:id:ibalatias:20170626200509p:plain
基本と正反対の選出に。晴れ状態のキレイハナより速いポケモンが相手だと「おさきにどうぞ」より先に動かれ、「おさきにどうぞ」「ふんか」のコンボが決まらなくなります。同じ理由で「いたずらごころ」のポケモンがいる場合も「ちょうはつ」が痛いのでこの選出を取ります。ヤミカラスは悪タイプで「いたずらごころ」無効かつ自身の「いたずらごころ」で相手のスカーフより先に「おいかぜ」ができるのも優れていました。その「おいかぜ」展開でスカーフ持ちを倒し、キレイハナコータスで〆る形を取ります。

3.ピッピイーブイ警戒パターン
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後発:相手の残り4体に応じて変えます
ナインエボルブースト」を警戒するパターン。1ターン目「ふんか」「トリックルーム」、2ターン目「ふんか」「ねっぷう」でフレンドガード+ブーストしたイーブイを倒しきるのが理想です。相手の後発にはシャンデラやエーフィがよくいるので、自分のシャンデラがかなり刺さる形になります。

大体は1か2の選出でパターン化しています。トリルが刺さりそうな相手は2のキレイハナシャンデラになり、トリルスイッチの形を取ります。

全45試合のKP

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ベトベトンマリルリ辺りが重かったですね。正確にはベトベトンの周りのマリルリが厳しかったです。マリルリを迅速に落とせるのがキレイハナしかいなかったのが痛かったと思います。シャンデラに関してはスカーフかトリルかの判別が難しく、プレイングに迷いが出る程の強さがある割に対策が甘めでした。ただ、警戒していたコータスミミッキュをしっかりメタれたのは良かったです。

⦿ 今後への課題など

インターネット大会はレート1800を最初の目標にしていて、2月のINCに続いて今回も目標を達成できたのは嬉しかったです。2月はCooさんのガブアロー構築を使わせてもらった結果の目標達成でしたが、今回は完全に自作構築での目標達成というのが満足ポイントが高かったです。自分で構築を作れる力が残っていてまだまだ衰えてないという喜びと安堵感を得ました。しかしながら、大会中もブログ更新中も薄々感じていたことですが、努力値調整やワザ構成に固定観念が残っていたり突き詰められていない甘さが目立ったのも事実です。

また、更に問題だと思ったのはメンタル面です。実は44試合目で上から殴り続けているだけで勝った試合があり、その次の45試合目・最終戦も中盤までは楽勝ムードでした。最後なのにラッキーだな〜と思いながら対戦していたのですが、最終戦の終盤で「おいかぜ」していたことを完全に失念し、しかも意味のない「まもる」でその「おいかぜ」を切らしてしまいモロバレルコータスが眠らされて逆転負けを喫してしまいました…。いわゆるプレイングミスそのものです。いま振り返ると安心しきって幽体離脱したかのような状態でのミスでした。自分でも信じられない、けれどこれが自分の力不足ということです。

今までは害悪系で粘ってくる相手に負けたら落ち着くまで休息を入れたり、負けを引き摺らないことを意識して臨んでいました。その甲斐あってか、今回の連敗は31〜32試合目の1回のみで自分としては安定感がありました。しかし今回の44〜45試合目を見ると、楽勝ムードで気の緩みが出たと言わざるを得ないです。拍子抜けするような勝ちは油断を招き集中力を途絶えさせることも有り得る、という事を知る機会になったかと思います。

したがって勝ち負けに関係なく、自分の心と常に向き合いながら、集中力が切れそうなら休息を入れるのを徹底することが重要だと感じました。インターネット大会は期間内なら自分のタイミングで試合に臨めますからね。また、人間はミスをするものと仮定しておいて、試合中は下画面の注釈(+のようなマーク)を毎ターン確認するのも良い対策かなと思います。自分が「艦これ」というゲームで実践しているような「指差し確認」をポケモンでも取り入れても良さそうです。ちなみにこのおかげで艦これにおいて着任3年の今まで轟沈ゼロです!(オタク特有の謎アピール)

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今回の「プリティプリマ」は6世代の「シンオウダービー」のような新鮮さがあり、今まで目を向けることがなかったポケモンを孵化したり育てたりするのが素直に楽しかったです。キレイハナとか今後使ってあげることなんてあるんだろうかというレベルで目新しいものでした。そして普段はお目にかからないポケモンがバトルで活躍したり、してやられたりと大会中も楽しく戦えました。晴れ・トリルからの雨・追い風という緩急を付けたクレバーな戦い方ができたのも去年のGSダブルの構築を彷彿とさせ興奮するものがありました。場を自在にコントロールする感覚は個人的に病みつきになります。あとはもっと上位に行けたら文句なしだったのですが、そこは自分の甘さを自覚し改善点を見出だせただけでも良しとします。

それでは、面白いルールの提案及び開催してくださったPGLの方、大会中に対戦して下さった皆さん、そしてここまで読んでくださった方、ありがとうございました!

追記

6月30日、「プリティプリマ」のランキングが発表されました。

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インターネット大会では自己最高の順位をマークできたのは嬉しいです。ただ、仮に最終戦をミスなく勝利していてもトップ10にはギリギリ届いてませんでした。メンタルもパーティ構築もプレイングも、反省点がないぐらい質を高めていく必要があると実感しました。これからも大会には積極的に参加し、収穫のある経験を積んでいきたいですね。